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STAFF COLUMN

2013/07/17

リマスター日記5

ゴミ消しメモ。 汚い字で恥ずかしい・・・。

ゴミ消しのお話をちょっと掘り下げる。
リマスターの実作業はポスプロで行います。
そこでリマスターのプロフェッショナルなオペレーターの方が腕を振るって奇麗奇麗してくれているわけです。
では、私たちは何をしているのか?
それは監修です。
監修っていうとちょっと偉そうですね。
えっへん。

私たちが観るのは一度リマスターが済んだ映像で、専用のモニターで鑑賞します。
といってもただ観ているわけではありません。
一瞬しか映らない異変を瞬間的に見つけ出します。
これがなかなか大変。
何せ本編が面白いからって集中しちゃうと仕事がおろそかになっちゃう!
ゲイル先輩の最後を見届けずに、画面の四隅やキャラ以外の箇所を見ていなきゃならないんですよ?
どんなお預けですかって話です。

では、簡単にチェックの内容もお話します。
アニメは1秒24枚の絵が流れます。
この1秒の間に流れる24枚の絵の中で1枚だけにゴミや違和感のある何かがあるかもしれないのです!(2枚3枚と複数枚にわたって異変がある事もありますよ。)
これをおよそ1話分(25分)続けてチェックします。
この間ずっと気が抜けません。
モニターには本編と一緒にタイムも表示させています。
気になる箇所を見つけたらこのタイムをメモしておきます。
1話分の映像を見終わったらメモしたタイムと画面を照らし合わせ確認します。
映像の確認が出来たら問題点の修正をオペレーターの方へお願いします。

メモを書いている間も本編は進んで行くため画面から目を離せません。
その為に自分の文字が解読できず、唸る事も珍しくありません(笑)。
レイズナーは4名で監修を行っています。(この人数はかなり豪華!)
その為か同じ箇所を拾ってもタイムに差があり、同じ内容でもタイムが遅いと負けた気分になり悔しい気分になったり・・・。
あ、これは私だけかもしれません。
逆に早い時はドヤ顔をします。
(特に先輩より早いタイムで拾ってると嬉しい。)

では、どんな事をチェックしているのか?
チェックしている内容をざっと上げますね。
・四隅の絵が欠けていないか?(絵が足りていない場合がある。)
・セル傷が無いか?(もの凄く大きく絵の邪魔をしているものは消す。)
・ゴミはないか(目立つホコリやシミなど、画面上の異変は消す。)
・スプライスは無いか?(先の作業での消し忘れは無いか確認。)
・セルバレしてないか?(セルの重ねが間違っている場合は修正する。)

などなど確認する事は沢山あります。
兎に角違和感があったらチェックするわけですよ。
とは言っても、私たちの監修というのはあくまでより見やすい映像にする為のバランス取りであり、大部分はオペレーターの方の作業で行われています。
実は一番大変なのはこの実作業を行っている方たちなんですね。
いつも奇麗にしてくれてありがとうございます。

作業時間についてもお話しますね。
作品ごとにも異なりますが一応目安として1日にこなす話数の目標が設定されています。
その為に1話数辺りに割ける時間というものが決まっているのですが、
どうも思い入れが強すぎると時間をオーバーに成りがちです。
いつもオーバーして怒られているわけですが・・・。
サイバーフォーミュラでだいぶやりすぎた私ですが、今回も記録を更新してしまったかもしれません。
先輩にもよく注意されているんですけど・・・。
「ここはOVAで使うから奇麗にしておきたいんです。」は大変便利な言葉でした。

作業を行うかどうか(費用対効果を考えて)、先輩ともめているうちに呆れたオペレーターの方がさっさと修正してくれるという展開には正直申し訳なかったと反省してます。

えっと何が言いたいかって言うと、ポスプロさん無茶いって作業してもらってすみませんでした。
と何故かここで懺悔する。
おかげさまで私、かなりご満悦です。

写真はチェック時のメモです。
汚い字ですが雰囲気が伝わればと思いきって掲載します。
リマスターに興味を持った方はネットで色々検索してみて下さいね。

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