リマスター日記4
色味調整の次は映像を奇麗にする作業に入ります。
いわゆるゴミ消しってやつですね。
本当か嘘かレイズナーは1話辺り6000~7000枚と聞いた事があります。
一枚一枚の画像をチェックして修正を行うのでこれまた気の遠くなる作業です。
セルアニメはセル画をカメラで一枚一枚撮影していきます。
そのため、予期せぬ物が映り込んでいる事があるんです。
ホコリやゴミ、撮影時に着いたセル傷など。
先日は別の作品をチェック中、セル画を押さえている左手がそのまま映っていて驚きました。
二次元の世界から一気に現実世界に戻される瞬間です。
ここまで凄いのは初めて見ましたが、羽箒が映っていたなんて話も聞いた事があります(笑)。
話がそれました。
DVDの時代にもこれらのゴミは存在していて、当時もある程度の作業を行っていました。
しかし時代はハイビジョン。
技術は進歩し、高解像度で映像を観られる時代です。
見たくない物も見えてしまうのがハイビジョン。
ホコリどころかセル画に残った指紋がクッキリなんて事も・・・。
凄いやハイビジョン!
シクシク・・・。
これらの不要な情報を、元の絵を損なわないよう一枚一枚丁寧に処理していきます。
先に話題にしたスプライスもこの行程で行いますよ。
もちろん全てのゴミ消しができるわけではありません。
昔の作品は新規に作画を足せるわけではないので、できる事できない事があります。
限られた条件の中でいかに見やすい映像にするかが腕の見せ所。
お手元にあるBlu-rayで「おや?」と思ったシーンがあったら、それは何らかの理由で直せなかったのかもしれませんよ。
それを想像しちゃうのも職業病。