リマスター日記6
フィルム作品のHDリマスターは考古学のようです。
フィルムをプリントして再生みるまでは何があるか分からない。
フィルムが劣化している。
不足しているカットがある。
バラバラになっていてカットが繋がっていないフィルム。
まあレイズナーも色々とありました。
そして個人的に最も深刻だったのがACT.3の刻印2000ノンクレジットエンディング問題!
レイズナーではマスターポジをプリントしてテレシネしているわけですが、原版であるネガフィルムがない事にはこのマスターポジがプリントできないわけで・・・。
無かったんですよ。
刻印2000のノンクレジット版エンディング部分のフィルムが。
VHS、LD、DVDでご覧になっている方はおわかりと思いますが、
エンディング部分はドラマパートにクレジットを光学合成している為、
本編と比べると画質が落ちてしまっています。
是非、ノンクレジットでのエンディングも観たい!
レイズナーファンなら誰もが思い続けていたことだと思います。
実はOPやEDはクレジットが載る事を計算してレイアウトされています。
その為にクレジット有りの物が完成形で、ノンクレジットというものはあくまでソフト用の特典という扱いなんですね。
(もちろん全部の作品がそうとは限りませんが。)
ですから途中成果物であるフィルムが現存していなくても不思議ではないのです。
こんな事は昔のフィルム作品では珍しくありません。
しかし、どうしても今回のBD-BOXにノンクレジット版のエンディングを収録したい!
この熱い思いが伝わったのかフィルムを取り扱う担当も諦めずに何ヶ月も捜し続けてもらいました。
時は流れて6ヶ月。
半ば諦めていました。
見つからない物は仕方ありません。
その後もノンクレジットのオープニング素材、エンディング素材などレイズナーと思われるフィルムが入ってそうな物は片っ端から捜索し続けてもらいました。
半年ほど経過しているこの頃になるとリマスターの作業もほぼ終了しています。
残るは特典、メニュー画面などの残すばかりとなった頃の事です。
なんとノンクレジット版エンディングのフィルムが見つかったとの知らせが!
しかし問題はスケジュールです。
リマスター作業はほぼ終了しているのです。
果たして収録できるのか・・・?
間に合うのか?
どうなる~?
詳しくは商品ページをご確認下さい。
こうして担当者の我が儘に振り回されっぱなしのリマスター地獄は終わりが見えてきたのでした。
ここからは特典地獄が待っているわけですが。
ふふふふ。